眠狂四郎元月斩

将軍家斉の庶子、片桐高之は、その母、松女の野心によって次期将軍の座を狙っていた。ある日、新刀の試斬りの最中、川原で飢えた民を斬った高之。その場を通りかかった狂四郎は、その様子を目撃するが、その民の仲間から誤解され、憎しみを持たれることになる。さらに、高之からも狙われるようになった狂四郎は、ある日、高之の使いの小波に迎えられ、川舟に案内される。そこで狂四郎は仕官を勧められ、愛刀無想正宗を望むが、拒否し、戸田の右腕を斬り落として立ち去る。小波は豪商山崎屋の伝右衛門の娘で、未来の将軍御台所への夢を託し、高之に経済的な支援を提供していた。狂四郎はこの小波を愛し、妻にする約束を交わしていた。しかし、狂四郎は高之の邸に忍び入り、小波を襲って犯す。憎しみに燃える小波は片桐家に恩義を感じ、剣客として寄留することを選ぶ。